
2026年1月頃から「レアアース(希土類)」が再びテーマ化し、関連銘柄に短期資金が向かいやすい局面がありました。
背景には地政学(輸出管理)と国内資源開発(南鳥島)、さらに価格形成・ヘッジ目的といった“供給不安を意識させる材料”が重なった構図があります。
この記事では、「なぜ直近で物色されやすかったのか」を要因分解し、最後に対象14銘柄の予想PER・PBR・時価総額を同一基準で比較します。
改めてレアアース関連を振り返っていきましょう。
なぜレアアース関連は盛り上がったのか
要因①:政策・地政学(輸出管理強化=供給不安の再燃)
中国によるデュアルユース品目の輸出管理強化が報じられ、重要鉱物の供給リスクが再び意識されました。レアアースはEV・モーター・電子部品に不可欠な素材であり、調達懸念は即座にテーマ化しやすい分野です。
- 供給面のボトルネックが再認識される
- 資源・商社・リサイクルまで連想が拡大
- 政策関連ニュースは短期資金が入りやすい
要因②:南鳥島レアアース泥の実証進展(国内資源ストーリー)
南鳥島EEZでのレアアース泥試掘成功が報じられ、国産資源の可能性が再評価されました。
- 上流(資源)×国内投資のテーマ化
- 海洋開発・プラント・建設など裾野が広い
- 長期プロジェクト=継続的な材料発生余地
要因③:レアアース先物計画(価格の可視化)
海外市場でレアアース先物上場計画が報じられ、価格指標の整備が期待されました。
- 価格透明性の向上
- ヘッジ手段の整備による市場参加者増加期待
- 金融商品化=テーマ再点火材料
要因④:調達多様化の具体化
豪州からの輸入拡大など、調達多様化の動きが報じられ、「脱・一極依存」の実務進展が確認されました。
- 供給リスク分散の現実味
- 商社・非鉄セクターへの波及
対象銘柄の位置づけ(バリューチェーン整理)
レアアース関連は、
資源(上流)→ 精錬・材料化 → 用途(磁石・触媒等) → リサイクル → 海洋開発関連
と広範囲に及びます。
(A)資源・調達
- 2768 双日
- 3036 アルコニックス
- 1662 石油資源開発
(B)精錬・材料
- 5713 住友金属鉱山
- 5711 三菱マテリアル
- 5707 東邦亜鉛
- 4082 第一稀元素化学工業
(C)リサイクル
- 5724 アサカ理研
(D)海洋開発・インフラ
- 6269 三井海洋開発
- 7003 三井E&S
- 6330 東洋エンジニアリング
- 1885 東亜建設工業
- 9768 いであ
(E)用途・周辺素材
- 7746 岡本硝子
指標比較:予想PER・PBR・時価総額
以下は直近データに基づく比較表です。
| コード | 銘柄 | 予想PER | PBR | 時価総額 |
|---|---|---|---|---|
| 6269 | 三井海洋開発 | 20.6 | 5.40 | 1兆751億円 |
| 1662 | 石油資源開発 | 14.6 | 0.97 | 5,261億円 |
| 2768 | 双日 | 10.9 | 1.28 | 1兆2,678億円 |
| 3036 | アルコニックス | 16.5 | 1.28 | 921億円 |
| 5724 | アサカ理研 | 126.0 | 4.93 | 247億円 |
| 6330 | 東洋エンジニアリング | 86.4 | 6.28 | 2,842億円 |
| 7003 | 三井E&S | 27.8 | 3.79 | 7,394億円 |
| 4082 | 第一稀元素化学工業 | 75.7 | 2.10 | 764億円 |
| 5707 | 東邦亜鉛 | 21.5 | 3.95 | 280億円 |
| 5713 | 住友金属鉱山 | 28.7 | 1.18 | 2兆2,829億円 |
| 5711 | 三菱マテリアル | 28.8 | 0.85 | 5,788億円 |
| 1885 | 東亜建設工業 | 17.7 | 2.50 | 3,031億円 |
| 7746 | 岡本硝子 | 1450.0 | 11.40 | 292億円 |
| 9768 | いであ | 13.7 | 1.10 | 344億円 |
まとめ
直近1ヶ月のレアアース関連の物色は、
(1)輸出管理による供給不安
(2)南鳥島の国内資源開発進展
(3)価格指標整備による市場インフラ改善
という複数要因が重なった構図です。
レアアースは上流から用途・リサイクルまで裾野が広く、ニュースの種類によって物色対象が入れ替わるテーマです。構造を整理しながら注視することが重要です。
国策ど真ん中になるテーマになってくるので、今後新しく出てくる銘柄も含め注視していきたいテーマですね。