サラリーマンが年末調整を自分でやってみた
現在企業に勤められている方に質問です。
年末調整をご自身で行ったことはありますか?
おそらくずっと会社勤務の方、また確定申告が必要な本業以外の収入を得たことがない方などは、ご自身で申告をしたことがない方が多いと思います。
いや、会社に勤めていれば経理担当の人がやってくるから知識はいらないでしょ?、と思っているあなた。それはかなりもったいないことをしています。確定申告の知識は後々に必要になってくる場面が必ず出てきます。もし会社員の人が定年退職したとき、確定申告すべき収入を得てしまった時その人はどうするのでしょうか。そんな時の為にチャンスがあれば是非一度は年末調整を自分で確定申告の手続きとしてしてみることを勧めたいと思います。
なぜ自分で確定申告を経験した方がいいの?
年末調整は自分でやる必要が無いならそれでいい。そう思っている人に確定申告をすることによるメリットをお伝えしておきます。
まず、ずっとその会社でいることが出来る保証はありますか?ということです。もし何かしらの事情により会社を離れなければならなくなった場合。あなたが会社で就業できなくなった場合。これらは全く想定出来なくもないケースだと思います。もしくは今後一念発起をして独立開業を行うかもしれません。
そうなったときに必要になる知識、それが税務・会計知識になります。その主たる部分が確定申告に集約されているのです。
よく会社員の人が外で会食などを行ってくるときに貰う領収書。これを会社の経理担当に渡して経費精算してもらいますが、どういう仕組みで経費として落とされているかを把握している人はどれくらいいるでしょうか。その組織にいるときは問題ないかもしれませんが、その組織を離れてしまって自分で行わなければならない、となった場合すぐに対処出来るものでしょうか。なかなか難しい部分があることでしょう。
またこういう税務・会計知識は会社の経営を行っている経営層の方々は当然理解されている知識であります。いかに経費を管理出来ているか、ということが会社の経営に大きく影響する部分であるので。そういう知識をもしあなたが把握していたとしましょう。経営層の人は話している中で、その人がどのくらいの知識を有して話しているか、という人の見極めが出来る人が多いです。そういう人との何気ない会話の中でその知識を持っていることを理解してもらうことが出来れば、あなたはビジネスマンとして新たな評価を得ることが出来ることでしょう。
で、実際に会社員で勤められている方が確定申告をする場合は、給与所得+αくらいの申告で済む方が大半だと思います。そうするとそんなに多くの入力項目もなく、申告自体は簡易なもので済ませることが出来ます。計算もパソコンで入力フォーマットに入力すれば自動計算してくれます。
入社1年目は自分で確定申告を出来るチャンス
でも、会社員勤めてて確定申告ってどうやってすればいいの?年末調整もしてくれているし・・。とお思いのみなさま!
確かにあなたの会社から払われる給与所得の年末調整は会社で終わらせてくれています。しかし!まだチャンスはあります。・・・というよりも、もしかしたら確定申告をしていないことによって、あなたは損している可能性もあるのです。後ほどどんな人が確定申告しないと損してしまうのかというところも触れていきますが、会社で申告しきれなかった控除などは追って申告を訂正することが出来るのです。
ここで行う申告の訂正は通常の確定申告とほぼ同じような手続きになりますので、確定申告の締め切り前(例年は3月中旬頃まで)に済ませてしまえば大丈夫なのです。
そして、もっと簡単に確定申告を自分で行うことが出来るチャンス、それは入社1年目の場合です。確定申告はその年の1月1日~12月31日の収入や支出分を翌年の確定申告の時期(約翌年2月中旬~3月中旬)に申告を行うのですが、その年に中途入社した場合は、前職の給与分も含その年の収入分として計算に含めるようになります。
そうした時には前職での収入の証明として源泉徴収票を貰います。そして会社に前職の分を一緒に年末調整してほしいのならば、新しい職場の経理担当の人に源泉徴収票を渡せば済むのですが、ここで自ら確定申告を行いたい場合は「今年の分は自分で確定申告をします。」と言ってもらえば本年度分の確定申告をあなた自身で行うことが出来るようになります。
もしどうしても自社でやるので、と言われた場合は"前職の源泉徴収票発行が翌年になってしまうので、迷惑をかけてしまうと思うのでこちらで今年はさせてもらいます"、と言ったような経理担当の方を気遣う形で理由付けしてあげましょう。そうすればいざこざも無く自分で確定申告が出来るようになるでしょう。おそらく経験則で行くと、このことで問題になることはほぼ無いと思っています。なぜなら経理担当の方の大変なお仕事が一つ減るようになるので(笑)
もしかしたらあなたに還付金が戻ってくるかも
では、会社員の人が確定申告をすると得をする可能性があること、とはどのようなケースなのでしょうか。いくつか挙げてみたいと思います。
寄付を行った方
様々な寄付であったり、最近で多くの人が行っている代表例で挙げればふるさと納税もこの項目に当てはまります。おそらく自らふるさと納税を行っている方は理解されている方が多いかもしれませんが、ふるさと納税はただ産地の品を貰うためだけに行っている納税ではありません。+支払った金額に準じた税額が控除されることによって節税効果が大きくなるものになります。しっかり申請を行っておきましょう。
今年分の医療費が年間で10万円を超えた方
今年は大きな病気にかかってしまった場合や、ケガを負ったことにより大きく医療費の出費が出てしまった場合はこの項目を確認しておきましょう。またこの時の為に、しっかりと医療費の証明が出来るよう領収書は保管しておくクセをつけておきましょう。
住宅ローンを組んでいる方
憧れのマイホームを購入した!という方が、これから35年もローンを返していくのか・・・と憂鬱になるのは少し早いです。住宅ローン減税という形で、国から補助を受けることが出来る制度があるのです。その為にはしっかりと確定申告を行っておく必要があります。また、住宅ローン減税の場合は住宅ローンを組んだ年だけではなく、その翌年以降も申請を行わないと貰えるはずのものが貰えないといった損をしてしまうので注意しておきましょう。
今年中途退職をして年末調整を受けていない方
これは先ほどの章で入社1年目の人が確定申告をしやすいといったとケースや、年末時点でどこにも会社に属していない場合が該当します。この場合は前職の会社で受けた給与分は余分に所得税などの税金を払っていることになります。それではただ国に多めに税金を払ってしまっているだけになってしまいます。払い過ぎた分はしっかり返してもらう為に、確定申告の手続きを行っておきましょう。
確定申告の勉強のためには最適
と、このようにサラリーマンの方が確定申告を行っていないことにより、大きく損をする場合があることをお分かりいただけたかと思います。
またこのように確定申告を一度経験しておくことを勧める理由がひとつあります。
それは日本の公的システムは自分で申請しない限り得を得ることが出来ないということを肌感覚で実感しておいて欲しいからなのです。
確定申告と言われれば、なかなか実感はわきにくい人もいると思いますが、会社員の人で最も身近に感じる申請が必要なもの。それは老後に貰うことができる年金です。もしかしてここまで払ってきたんだから、登録した口座に自動的に払われると思っていませんでしょうか。それは大きな間違いです!
しっかりと公的機関に申請をしないと年金は貰うことが出来ません!
これは頭に入れておきましょう。ご自身が一生懸命働いてきて貯めてきた年金です。国は徴収する分は真剣に取りに来ますが、国民に支払うものに関してはルーズなのです。申請者自身がしっかり申請しない限りは利益を受けることが出来ないのです。
ですので、その練習として確定申告を自ら行うことは、公的機関に自ら申請をして還付をうける、といった習慣をつけるためにも格好の練習の場となるのです。
副業解禁時代には必要なスキルに
最後に、ここ数年国内の人々の働き方は大きく変化してきました。平成当初には潰れる気配もなかった大企業が令和になると窮地に追い込まれている、といったことも珍しくなく、いつまでも会社員で居続けられるような終身雇用、といった考え方すらなくなりつつあります。
そんな時代の新しい働き方として副業が解禁されるようになってきました。もちろん本業は行いながら、別のフィールドでも活躍の場を見つけるために働く、といった人も多く見受けられるようになってきました。もちろん副業であっても一定基準以上の金額を収入として得た場合は確定申告を行わなければなりません。またその延長線上に独立などすることも視野に入ってきた場合には、より多くの会計・税務の知識を習得することが必要となってくるでしょう。
おそらく今後はこれまでよりも仕事が組織単位ではなく、個人単位に比重が置かれてくるようになるでしょう。そんな時代に生き抜いていくためには、自分のことは自分で守る必要も出てきます。その金銭的な部分で自分を守るためにも、確定申告を自分で一度はやってみること、これをオススメしたと思います。
確定申告を自分で初めてやった時、結構自分で調べて時間掛かりました(笑)
でも”freee”で確定申告やってみたら、だいぶ楽になったので初めての確定申告の方は試しに使ってみてください